Echoes of Nature / 自然のこだま

自然の中で感じたこと、世の中についての思うことを、自然がこだまするように綴ります

共感する力、言葉のちから

今日は、ふと出会っていいなと思った漫画をご紹介します。

日本の漫画はレベルが高い

日本の漫画は、教育的だったり、大人が読んでも深く感動できたりと、そのレベルの高さにいつも驚かされます。

他国の漫画事情には詳しくありませんが、かつて私が暮らしていた西洋の国々では、漫画といえばせいぜい子ども向け、あるいは大人向けでも、政治を皮肉った4~8コマ程度のもの程度でした。

片や日本では、例えば『はだしのゲン』のように反戦を訴えるもの、『ドラえもん』のようにシンプルなストーリーの中にも、子ども時代の喜びやわくわく感を思い出させてくれるもの、さらには『ゴルゴ13』のように国際関係や世界史の学びに最適なもの(→本気でそう思っています!)まで、単なる娯楽を超えた漫画が数多く存在します。

共感した作品 ~ 眠れぬ夜はケーキを焼いて

通っている婦人科の待合室には、女性向けのさまざまな本が並んでいます。
その中で目にとまったのが、『眠れぬ夜はケーキを焼いて』という、ちょっと不思議なタイトルの本でした。
「眠れないからといって夜中にケーキを焼く?」と、思わず首をかしげつつ、手に取ってみました。

著者の午後さんは、幼い頃から生活リズムが乱れやすく、昼間を寝て過ごしてしまう日も多かったそうです。
そんなとき、料理をすることで「今日は生産的に過ごせた」と思えるようになり、やがてお菓子作りをするようになったのだとか。

各話の多くはお菓子のレシピですが、その合間に午後さんの繊細で複雑な感性が、シンプルでわかりやすい言葉で綴られています。
学生時代は画一的な環境になじめず、社会人になってからは進路に迷い、暗闇に閉じ込められたような時期もあったそうです。

それでも「自分の感じたことを表現し、誰かと共有したい」という純粋な思いから、SNSで漫画を発信し続け、本の出版へとつながりました。

漫画の中では、登場人物がみな動物の姿をしているところがユニークです。

また、たびたび登場する飼い猫(→すでに天国へ召されました。詳しくは4巻を)は、繊細で傷つきやすい午後さんとは対照的に、人生の格言のようなアドバイスを、毅然とした態度で語ります。

繊細で丁寧な言葉

私がこの漫画に惹かれるのは、ご自身の弱さも含め、語られる言葉が率直でシンプル、そしてとても丁寧だからです。

今はYouTubeやブログ、SNSなどで誰もが発信できる時代です。
それは良い面もありますが、一方で、理性を失ったような言葉が飛び交うことも少なくありません。

古風に思われるかもしれませんが、私は発信する場や相手を問わず、「言葉を丁寧に扱うこと」を大切にしたいと思っています。

ここで言う丁寧さとは、堅苦しい表現という意味ではなく、相手や自分を尊重する言葉選び、ということです。

みんな同じ根元

また、お菓子を焼くプロセスの前後ところどころに、哲学的な描写があるところも好きです。

眠れぬ夜はケーキを焼いて2 (KADOKAWA), 86ページ

全ての人間は肉体があるので、完全に別々に見えるけれど、育った環境や過程の影響で、ひとりひとりが異なった価値観を持つようになる。
でも、どの人も、元々は同じ”根元”。

過去は変えられない

眠れぬ夜はケーキを焼いて2(KADOKAWA), 108ページ

人生は選択の連続 ー 「きっとどの世界戦でも何かしら後悔しているだろうし、もしかすると別の私から見たら羨ましがられる私でいられているのかもしれない」

この言葉は、まさに今の私が内面化しなくてはいけないこと、です。

数年前に、自分の中に感じていた違和感に蓋をして、かなり自分に無理強いして大きな変化を選択しましたが、その後、幾度も後悔の念に見舞われました。

その選択を実行に移す前までの自分が、今の自分から見ると、とても輝いて見えるし、羨ましい… 
あの選択をしなければ良かった… 違和感や無理やり感は確実に感じていたのだから、無理に実行に移す必要性なんて、無かったのに…


いけない、いけない!汗 またどろどろとした後悔の念に襲われるところでした。

人生、自分の身に起こることは、すべて神の思し召し。受け入れるしかない。
自分の選択であっても、過去は変えられない。

共感 - 言葉のちから

午後さん、率直な思いを言葉にしてくれて、ありがとう。
傷つきやすい繊細な感性を、丁寧に共有してくれて、ありがとう。

共感すること、共感できる力があれば、戦争も起きないはず、自分と他人との区別なく、調和できるはず。

私もこのブログを通じて、自分の感じたことや世界を、少しずつ見知らぬ誰かと共有していきたいと思います。

 

nlj.hateblo.jp

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